uguisuが出来るまで 第2話 「妄想の日々」


 

実を言うと、僕はずっとずっと前から自分のお店、それもカフェを開きたいと考えていました。さかのぼれば、それは高校生の頃に始まります。

高校生の頃の僕は、少々背伸びをして渋い雰囲気の珈琲専門店やジャズ喫茶に行き、緊張しながらそれらのお店に対して憧れの念をいだいてのを今でも良く覚えています。

当時はインターネットも一般の家庭にはあまり普及しておらず、当然食べログや、またカフェのガイド本もありませんでした。

ですから自分の足を使っては街を歩きまわり、大人な雰囲気の喫茶店を見つけると、緊張しながら何度も何度も店の前をウロウロしたものでした。。何と言っても当時僕はまだ高校生でしたから、喫茶店で珈琲を飲むなんて、なけなしの小遣いをはたく一大イベントな訳です。時には何日も続けて店の前まで下見をしに行ったりした事もありました。当時の僕にはお金はありませんでしたが、時間は腐る程あったのでしょうね。笑

当時、流行りだった珈琲専門店のカフェ・ラ・ミル系列のお店にはよく行きました。隣駅の経堂にあった今は無き名店、「NIZAN」には数えきれないほど、足を運んだ覚えがあります。マスターには恐らく「なんだこのガキは」と思われていたかと思いますが。。笑

実際にuguisuを開業するまでには、それか約17年もの歳月が流れる事になるのですが、この「ウロウロ散策とお店の発見」は高校を卒業した後もずっと続く事になります。

でもなんとなくですが、この一見しょうもない暇人的行為も、uguisuというお店を作り上げるのには、必要な時間だった気がしています。

むしろネットやガイド本が今のように発達していなかったからこそ、知らない街をあてもなくウロウロする事が出来たし、また沢山の時間を費やしたからこそ、色々な想像(いや妄想と呼んだ方がしっくりきますね。笑)がその間に出来たように思います。

それは「一本入ったこの裏通りにはオシャレな店が多い気がするな。」だったかも知れないし、「こんなメニューの書き方って格好いいな。」だったかも知れません。「僕だったらコーヒーには小さなチョコレートと、小粒の角砂糖をこんな器に入れて添えるな。」だったかも知れません。

とにかくウロウロしながら、もの凄く様々な事を妄想する事が出来たのです。

自分がお店を構えた時の姿を妄想するって、なんだかちょっと恥ずかしい感じもしますが、とても大事な事だと思います。

僕なんてまだお店なんて持てる訳がない大学生時に、自分が店でオープン初日にかける一曲目のBGMなんてのまで妄想してましたから。笑 ちなみにその曲は、実際のオープン初日には恥ずかしくてかけませんでしたけどね。。笑

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uguisuが出来るまで 第2話 「妄想の日々」 への2件のコメント

  1. ryohei64 より:

    知ってる人がどんな妄想をしてたのか知るのって面白いですね。

  2. pomme. より:

    それだけの”想い”も時間と共に積もっているということでしょうね。
    uguisu、いつまでも笑顔の絶えないお店でありますように。。

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