皆さんこんにちは。
今回はフランス南部に位置する美しきプロヴァンス地方の郷土料理を2品紹介いたします。
一つ目はピサラディエール。
甘味を引き出す様にゆっくりと茶色くなるまで炒めた玉ねぎと、プロヴァンスで採れるハーヴ類、やはりプロヴァンスが特産のアンチョビに黒オリーヴをトッピングしたピザの様な一品です。
ニースで作られるピサラpissalaというアンチョビが原材料の魚醤が語源です。
そして2品目はラタトゥイユ。冷蔵庫で保管して冷たい状態で召し上がっても、温めて召し上がっても美味しい野菜のトマト煮です。
水やワインを使わずに、野菜の持つ水分だけで仕上げる事で、野菜の持つ本来の味を引き出しましょう。
ストーヴstaub等のココットを使って無水調理で仕上げるのが理想的ですね。
ラタトゥイユは野菜焼いた魚や仔羊、鶏のロースト等の付け合わせにも最高の一品です。
~vin~
合わせるワインはやっぱりプロヴァンスですね。プロヴァンスのあまり甘くないロゼや、軽めに上がった赤なら最高でしょうね。
しかし今回はあえてアルディッシュの造り手、エルヴェ・スオーのワインを合わせてみました。(丁度良いプロヴァンスのワインが手元になかったからなんですけどね。笑)
エルヴェ・スオー(ドメーヌ・ロマノー・デストゥゼ)からは何種類かのキュベが日本に入ってきていますが、今回はその中から軽めで綺麗に上がっているシラーをチョイスいたしました。ラタトゥイユとの相性は抜群です。
野菜料理だからといっていつも白ワインばかりではなく、こういったさっぱりとした赤ワインを合わせるのもいいですね。透明感のある軽めのシラーは、しっかりとした強さを持った野菜や、そのグリルとの相性がとってもいいですから。
ちなみにこのスオーのワイン、重くて渋いシラーとは全くの別物。
先ずはその綺麗な酸が魅力だと思います。
酸というと「酸っぱい」を想像する方もいらっしゃるかと思いますが、「べたっとしない」「甘ったるくない」そういったワインになるためにはとっても大切な要素。
スオーさんのワインは、ブラックーベリーを思わせる綺麗な酸を伴った果実味が中心にあって、ちょっとフローラルな華やかさまで感じさせてくれます。
そこに口の中が「きゅっ」と引き締まるようなスパイシーな複雑味もあり、単純でない世界が広がっています。野菜の持つ滋味と共に味わうには素晴らしい一本です。
ちなみにこのスオー氏は、かのパカレ氏やルネ・ジャン・ダール氏との交流もあり、ルネ・ジャン・ダールの所有するレ・シャン・リーブルのワインの醸造も行っている凄い造り手さんです。
<ピサラディエール>
~材料~
生地
強力粉:150g
エキストラヴァージンオリーヴオイル:25cc
水:75cc
インスタントドライイースト:3g
塩:少々
トッピング
玉ねぎ:3個
黒オリーヴツꀀ:10粒程度
アンチョビ:7枚
エルヴ・ド・プロヴァンス または タイム&ローズマリー:適量
~作り方~
①インスタント・ドライイーストを少量のビール、もしくはぬるま湯で仮発酵させてください。
最近市販されているドライ・イーストはこの仮発酵の手順を省いて、そのまま粉に混ぜ込んでも問題ないようです。
②ボウルに強力粉と、エキストラヴァージンオイル、水、塩、①のドライイーストを入れ捏ねていきます。水の量はその日の湿度によっても変わってきますので、随時調整してくださいね。目安は耳たぶ位の柔らかさです。
③生地がキメ細かく滑らかになったら、生地を丸め表面にオリーヴオイルを薄く塗り、ボウルにラップをかけ、室温にて約2時間発酵させます。2時間経ったら、一度生地を取り出してパンチングをします。(中の空気を抜く作業です。)もう一度生地を丸め30分間、再度室温にて発酵を促します。
④生地を発酵させている間にトッピングの準備をしましょう。先ずは玉ねぎをスライスします。フライパンにオリーヴオイルをしきスライスした玉ねぎを加え、軽く塩を振ってください。この塩は味を付けるためではなく、玉ねぎから水分を出すための塩ですので、ほんの僅かで大丈夫です。弱火にてゆっくりゆっくりと、写真の様に茶色くなるまで炒めましょう。玉ねぎの甘みを十分に引き出してください。
⑤発酵が済んだ生地を、平たく伸ばし好きな形に成形しましょう。パーティーの時なんかは面白い形の方が楽しいですね。笑
伸ばした生地の上に④の玉ねぎ、アンチョビ、黒オリーヴをまんべんなく並べていきます。アンチョビはとても塩味が強いので、僕はアンチョビを縦半分に細長く切り、それらを並べています。このやり方だと塩味が分散されて、アンチョビが乗った部分がしょっぱいという事が無くなります。
⑥エルヴ・ド・プロヴァンスという市販のハーヴミックスを振りかけます。
エルヴ・ド・プロヴァンスとはフランス語でプロヴァンスのハーヴという意味です。
プロヴァンスはハーヴの特産地で、様々なハーヴが栽培されています。それらのハーヴを乾燥させミックスされた物がエルヴ・ド・プロヴァンスで、プロヴァンスの町中ではどこでも簡単に手に入ります。
もしエルヴ・ド・プロヴァンスが手に入らないようでしたら、タイムとローズマリー、もしくはそのどちらかを使ってください。乾燥した物でもフレッシュの物でもどちらでも大丈夫です。
⑦200℃のオーヴンで約13分間焼き色がつくまで、加熱して出来上がりです。味見をしてお好みで少々塩をかけてもいいかと思います。
<ラタトゥイユ>
~材料~
玉ねぎ:1個
ニンニク:3片
トマト:3個
赤・黄パプリカ:各1個
ズッキーニ:1本
茄子:3本
トマトペースト:大さじ3杯
オリーヴオイル:適量
フレッシュタイム:4~5本
塩・コショウ:適量
~作り方~
①トマトを湯むきして4~6等分にし、種を取り出します。トマトの種は捨てずに茶漉し等で濾して、果汁を取っておきます。この果汁には旨味が詰まっているので、また後でラタトゥイユに加えていきます。
②ニンニクは皮をむき、潰します。玉ねぎはくし切りに。パプリカは細切りに。ズッキーニと茄子は輪切りにしてください。
③ズッキーニと茄子はフライパンに多めのオリーヴ油をしき、素揚げにし、塩コショウで下味を付けます。
ズッキーニと茄子は油との相性がとてもいい野菜です。ですからこの2つの野菜だけを別して、油で火を通すという訳です。これがこのレシピのキーポイントです。
④ココットに少し多めのオリーヴオイルをしき、ニンニクを加えます。香りが出たら、玉ねぎ、パプリカの順に炒めます。そこにトマトペーストと、①で取っておいたトマトの汁を加えて塩コショウをします。タイムを加え蓋をして、15~20分間弱火にて加熱します。
⑤④に③のズッキーニと茄子を加えてもう一度蓋をして弱火にて更に15分程度蒸します。
⑥塩、コショウで味を整え完成です。アツアツの作りたてもいいですが、ラタトゥイユは冷蔵庫で一日寝かせると味が馴染んで更に美味しくなりますよ。
矢継ぎ早の更新、紺野氏が別人になった感あり。
ゆっくりでいいので「継続」をお願いします。
ryohei64さん
その通り、別人です。笑
継続は力なりですよね。
頑張ります。
カキコミありがとうございます。